国連グローバル・コンパクト

国連グローバル・コンパクトへの参加

国連グローバル・コンパクト

弊社は2004年1月、日本で11番目の参加企業として国連グローバル・コンパクト(以下UNGC)に署名いたしました。約100 年前の創業時から“社会恩に報いる経営” を目指してきた弊社にとって、UNGCの理念は相通じるものがあると考えます。
GC10原則を支持し、企業戦略、企業文化、日常業務に取入れ、社会の良き一員としての経営・持続可能な社会の実現を目指しています。

COP(Communication on Progress)の提出

GC署名企業には、ステークホルダーに向けた定期活動報告COP(Communication on Progress)を1年に1回提出することが義務付けられています。これは人権・労働・環境・腐敗防止に関する4分野10原則に対して、最高責任者による支持表明と、参加企業が実践した内容を毎年提出するものです。
弊社が提出しているCOPはこちらからご確認いただけます。

GCリーダーズ・サミットに参加して(2004年)

アナン国連事務総長(当時)が議長となり、2004年6月24日、初のGCリーダーズ・サミットが開かれました。世界各国のGCに参加している企業、政府、労働・市民団体から合わせて約500名の指導者が参加しました。GCというイニシアチブの進捗状況を審査し、今後の道のりを明らかにするために討議を行いました。(詳しくは国連広報センターホームページをご参照ください。)

国連という「現場」で感じたもの

国連本部ロビーに、「Mother Earth」という名の銅の彫刻があります。それは乳飲み子を抱えて地面にぺたんと座った母の像です。想像してみてください。ミイラのように干からびた銅色のその腕の中で、干からびた乳飲み子が、干からびた乳房をくわえている ー Mother Earth(母なる大地)は、人類に搾り取られるだけ搾り取られながらもなお、必死に生き続け、まだ与えようとしている ー そんなメッセージを感じ、これが国連本部ロビーに存在する意義深さに、心を打たれました。

同時に、GCを着実に成果のあるものとするには、人の痛みを、自分のものとして感じられるような「想像力」が必要だと、痛感しました。「無関心は長期的には弾丸と同じように確実に人を殺すものである(ジャン・S・ピクテ『赤十字の諸原則』より)」という言葉が蘇りました。人権・労働・環境・腐敗防止は、身近な課題です。「Mother Earth」を守るのは、一人一人の日々の仕事や生活、心遣いのあり方に違いないのです。GCはそのために企業、NGO、政府を巻き込んだ全世界共通の指標として、大きな意味を持っていると思います。

また、会議で触れ合った世界のCEOは、optimistic(楽天家)であり、同時にrealistic(現実主義)であり、GC取り組みへの強い情熱を感じました。あるCEOが言った「2015年にはGCは解散しているだろう。なぜならそのころには世界の全企業、政府、NGOがGCに参加し、貧困や飢餓は撲滅し、戦争が過去のものとなっているからだ。」 という世界を実現させるために、できることから実践していきたいと思います。

(2004年 蜂谷真弓)

国連グローバル・コンパクトとは

国連グローバル・コンパクト(以下UNGC)は、1999年世界経済フォーラム(通称ダボス会議)でのアナン国連事務総長の呼びかけにより、2000年ニューヨークの国連本部にて発足しました。グローバルな課題解決のため、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野10原則を軸に活動を展開しています。

4分野10原則

人権

  • (原則1)企業は、国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重すべきである
  • (原則2)企業は、自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである

労働基準

  • (原則3)企業は、結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持すべきである
  • (原則4)企業は、あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持すべきである
  • (原則5)企業は、児童労働の実効的な廃止を支持すべきである
  • (原則6)企業は、雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである

環境

  • (原則7)企業は、環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持すべきである
  • (原則8)企業は、環境に関するより大きな責任を率先して引き受けるべきである
  • (原則9)企業は、環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである

腐敗防止

  • (原則10)企業は、強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである